あなたは仕事上で「手書きのお手紙」をお客様に出したことがあるだろうか?おそらく、95%以上の方が経験無いと思う。実にもったいない。

これだけITが発達し、また誰もがそれを利用する時代に「はぁ?手紙??しかも手書き??」という感想しか持たないかもしれないが、手書きのお手紙を侮ってはいけない。

Eメールを100回書くより、LINEでお礼を1000回言うより、電話を掛けて謝辞を思いつく限り絞り出すより圧倒的に受け手に響く方法なのである。

手書きのお手紙が響くシーンは枚挙にいとまがないが、ことビジネスのシーンに限っていえば、下記の様な場面が想定される。

・なかなかアポが取れない気難しい営業先
・対面出来ても仏頂面で話が弾まないクライアント
・「Eメールなど読まない!」と公言する中小企業オーナー

このように、あらゆる得意先の攻略に役立つ可能性があるのが、この手書きの手紙なのである。

実際、証券会社の営業やM&A仲介業者など、1件あたりの金額が高額なビジネスでは「手書きのお手紙」は多用されており、そして大きな効果を生んでいる。手間がかかるのが唯一の難点ではあるが、そこまでしてくるライバルは皆無なので、手法に困ったら試してみても良いと思う。

ここで一度、自分の人生を振り返ってみよう。あなたは今まで一生で何通くらいの手書きの手紙を友人、知人、仕事上の関係者から受け取った事があるだろうか?(年賀状は除く)おそらく、その答えは限りなくゼロに近いと思う。

そう。そうなのである。実はほとんどの人が手紙なんて受け取った事が無いのだ。受け取った事があるとしても、内容が軽い近況報告とか、御礼とかその程度であることが普通である。

そんなところへ「相手の事を最大限慮った」「共通で経験したエピソードを盛り込んだ」「便箋にあらためてしたためられた」心からのお手紙が届いたら何が起きるか是非想像して欲しい。

気をつけないといけないのは【手紙を手書きで買いてただ出すだけ】では効果は半減どころか20%以下になってしまうところだ。とっておきの場面でとっておきの内容で出すことが重要だ。

私は手紙を出す際には下記の3点を徹底的に磨き上げてから書くようにしている。

①相手の実績、相手から伺ったことに言及する

②お互いに一緒に過ごした共有体験を語る

③自分に出来ること、相手にしてほしいことの詳細

手紙はあくまでも「次の行動」に繋がるアクションで無くてはならない。心温まる内容だけでも相手に刺さることは刺さるが、せっかくならば「相手に何を依頼したいか」そして、それに対して「自分には何が出来るのか」を明確にしておかなくてはならない。

感動した相手も、それが明示されていた方が「何を返したら良いのか」がイメージしやすい。営業に困った時は一度「手書きのお手紙」を検討してみて欲しい。